ウベとは何味?ubeは紫芋・紅芋と何が違う?ウベハラヤを実食レビュー

食べてみた・レビュー

フィリピンのスイーツなどに使われる、鮮やかな紫色の食材「ウベ(ube)」。

海外ではアイスクリームやケーキ、ドリンクなどに使われ、近年注目を集めています。鮮やかな紫色は見た目のインパクトも強く、日本でもこれから人気が広がるかもしれません。

今回は、そんなウベを使ったフィリピンのスイーツ「ウベハラヤ」を実際に購入しました。パンに塗ったり、アイスクリームにトッピングしたりしながら、味や食感、おすすめの食べ方をレビューします。

ウベとはどんな食材なのか、紫芋や紅芋との違い、どんな味がするのかも紹介します。

ウベとは

Remi Tournebize, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

ウベは、フィリピンで「ダイジョ」(ヤムイモの一種)の紫色の品種を指す呼び名です。日本では紫ヤムとも呼ばれます。皮は灰色がかった茶色で、中は鮮やかな紫色。加熱するとジャガイモのようにほくほくとして、ほんのり甘く、ナッツのような風味があります。

ウベ・紫芋・紅芋は何が違う?

見た目も名前も似ていますが、植物としてはまったくの別物です。

ウベはヤマノイモ科で、日本の山芋・長芋・自然薯の親戚です。一方、紫芋・紅芋はヒルガオ科で、サツマイモの仲間です。つまり、ウベは「紫色の山芋の仲間」、紫芋・紅芋は「紫色のサツマイモ」ということになります。

ウベ(紫ヤム)紫芋・紅芋
仲間ヤマノイモ科(山芋・長芋の仲間)ヒルガオ科(サツマイモの仲間)
中身の色鮮やかな紫色紫色
特徴水分が多く、ぬめりがあるサツマイモの仲間
食べ方加熱して食べるのが基本日本で広く食べられている
主な産地フィリピンなど東南アジア日本(沖縄、九州など)

産地

ウベは東南アジア、とくにフィリピンが原産とされ、小さな畑で多く育てられています。需要が高く、現在フィリピンで最も高価で重要な根菜のひとつです。

ウベの食べ方

Obsidian Soul, CC0, via Wikimedia Commons

ウベは用途の広い芋です。ゆでる、つぶす、揚げる、焼くなど、さまざまな調理法で食べられていて、ほかのでんぷん質の野菜の代わりに、いろいろな料理に使われることもあります。

粉末に加工して、キャンディーやケーキ、アイスクリームなど、鮮やかな紫色を生かした食品に使われることも多いです。

そうしたウベの食べ方のひとつが、フィリピンで親しまれているお菓子ウベハラヤです。

ウベハラヤとは

Lokalpedia, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

ウベハラヤは、ウベをココナッツミルク、練乳、バターまたはマーガリンなどと一緒に煮て作る、ウベのジャムです。

フィリピンでは人気のお菓子として親しまれていて、使い道は広いです。

  • アイスクリームやケーキなどの菓子の風味づけ
  • フィリピンの人気デザート「ハロハロ」のトッピング(ハロハロは、かき氷にエバミルクや甘く煮た豆、ゼリーなど、さまざまな甘い具材を合わせたデザートです)

家庭ごとに作り方は違いますが、今は瓶詰めの商品も売られていて、日本でも通販で買えます。

今回は、その瓶詰めのウベハラヤを実際に買って、食べてみました。

Ube Halaya Purple Yam Jam 340g(フローレンス製)

項目内容
メーカーFLORENCE(フローレンス)
内容量340g(瓶詰)
原産国フィリピン
原材料ウベ、糖蜜/保存料(亜硫酸塩)
価格¥1,300 / 個
買える場所Amazon、楽天市場など

食べてみた

そのまま食べてみた

まず、スプーンですくって、そのまま食べてみました。

口に入れると、まず感じるのはしっかりとした甘さ。風味はサツマイモに近く、どこか馴染みのある味わいです。

食感はなめらかなペースト状ですが、よく味わうと少しざらざらした舌触りもあります。

ただ、甘すぎるというほどではありませんでした。そのままスプーンですくって食べてもおいしく、ウベならではの風味もしっかり楽しめます。

オートミール+フルーツ+ミルクに混ぜる

使ったもの

  • オートミール:大さじ6杯
  • ウベハラヤ:スプーン3杯
  • ミルク:コップ1杯
  • バナナ、ブドウ、カキ、イチジク、プルーン:適量

オートミールとミルクを混ぜ、フルーツを加えたあと、ウベハラヤを混ぜて食べてみます。

フルーツと一緒に食べても、ウベの風味がしっかりと感じられます。ミルクともよく合い、混ぜることで味がなじんで、こちらもおいしいです。

バナナやブドウなど、いろいろなフルーツとの相性もよく、ウベハラヤはパンやアイスクリームだけでなく、オートミールに加えても楽しめることがわかりました。

なぜ今、ウベが人気なのか

ウベは近年アメリカで人気が高まり、食品市場でも見かける機会が増えています。その理由は味や健康面もありますが、何よりもあの鮮やかな紫色です。SNSでも目を引く色合いがインフルエンサーの目に留まり、人気を後押ししました。

人気の広がり

  • 2017年ごろ:タピオカミルクティー専門店や一部のレストランのメニューに登場
  • 2022年春:アメリカのバスキン・ロビンスが「ウベ・ココナッツ・スワール」のアイスを発売し、本格的にブレイク
  • 2024年:ダンキンがハロウィーンに「ポーション・マキアート」を発売。長谷川香料は「フレーバー・オブ・ザ・イヤー」にウベを選出
  • 欧州:一般のカフェにも広がり、業界関係者の中には「The matcha of the Philippines(フィリピンの抹茶)」と呼ぶ人も

韓国にも波及

韓国でも、紫色がBTSを象徴する色であることから、ファンの間で紫色のものが注目され、ウベのお菓子やドリンクを楽しむ動きにもつながりました。

そして、この流れは日本にも届きつつあります。 ウベを扱うカフェも少しずつ登場しており、海外のトレンドに敏感な人たちの間で関心が高まり始めています。

数字で見る需要

  • アメリカのレストランのウベ商品は、過去4年で230%増。現在95のチェーンで提供
  • 調査会社Datassentialは、今後4年でさらに74%増と予測
  • フィリピンのウベ輸出量は、2025年に170万kg(前年比20.4%増)。約半分がアメリカへ

人気が高まる一方、生のウベは輸出停止に

需要が急に伸びる一方で、産地のフィリピンでは生産体制の整備が課題になっていました。

  • 収穫できる時期が限られていて、時期によって生産量が足りない
  • 質のよい苗や種イモが十分に確保できない
  • 組織培養で育てた苗の管理に関する知識が、農家に十分行き渡っていない

政府や大学による支援が進められてきましたが、需要の拡大に生産が追いつかない状況が続いています。

そこで2026年8月、フィリピン農務省は生のウベの輸出を無期限で停止しました。食用だけでなく、栽培用・研究用も含めた未加工のウベが対象です。

これはウベを売らないための政策ではありません。国内の生産基盤を整え、将来的にさらに大きな輸出産業へ育てるための措置です。業界団体の設立や、2027年に3億ペソの予算を組む計画など、生産体制の強化も進められています。

日本でウベを楽しむなら、加工品から

生のウベは輸出停止の影響もあり、海外から入手するハードルが高くなっています。一方、輸出停止の対象は生のウベであり、ウベハラヤやウベパウダーなどの加工品は対象外です。こうした商品は、現在も楽天市場やAmazonなどで購入できます。

アメリカや韓国で広がっているウベの人気は、日本ではまだ始まったばかり。鮮やかな紫色を生かしたスイーツやドリンクが、これからどのように広がっていくのか注目です。

今回紹介するウベハラヤも、そんなウベを手軽に試せる加工品のひとつです。パンに塗ったり、アイスクリームに添えたりするだけで、いつものスイーツとは違った見た目や風味を楽しめます。

海外で話題になっているウベがどんな味なのか、まずは実際に食べて確かめてみるのも面白いと思います。カフェや飲食店で新しいメニューを考えている人にとっても、ウベの味や色、使い方を知るきっかけになりそうです。


関連動画:人気急上昇のフィリピン産ウベが禁止されている理由【解説動画】

参考:https://www.vancouverpcg.org/vpcg-resources/yamang-pinoy/ube/
https://i.fnri.dost.gov.ph/fct/library/report/3187
https://www.convenience.org/stay-current/news/2026/april/10/4-when-did-ube-get-so-hot_fs
https://www.koreajoongangdaily.com/business/how-btsfueled-ube-craze-in-korea-tests-philippine-supply-limits/12745162
https://macaro-ni.jp/176481
https://www.da.gov.ph/da-indefinitely-suspends-raw-ube-exports-to-secure-planting-materials/

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