シカクマメとは?大豆に匹敵する高たんぱく野菜の栄養・味・食べ方・購入方法・栽培方法を解説

植物

シカクマメはたんぱく質やビタミン類などが豊富に含まれており、栄養価の高い野菜です。さらに、食べられるのはさやだけでなく、若い葉は野菜として炒め物やおひたしに利用でき、花も食用になります。地中にできる塊根にはでんぷんが多く含まれ、加熱すればホクホクとした食感を楽しめます。

この非常に栄養価が高く用途の広いシカクマメは沖縄では日常的に流通しており、比較的入手しやすい野菜です。一方、本州では一般的なスーパーの店頭に並ぶことは少なく、地域の直売所や一部の専門店で見かける程度にとどまります。そのため、存在自体を知らない人も少なくありません。

シカクマメとは

シカクマメ(四角豆、学名: Psophocarpus tetragonolobus)は、マメ科シカクマメ属の多年草です。

シカクマメはインドからパプアニューギニアにかけての東南アジア諸国や、一部のアフリカ諸国で広く栽培されています。シカクマメの起源は東南アジア・パプアニューギニア・アフリカという複数の候補地が挙げられているものの、いずれも決定的な証拠には至っておらず、現時点では確定していません。

シカクマメはつる性で、支柱などに巻きついて3〜4メートルほどの高さまで生育します。インゲンマメなどの一般的な豆類に比べると、草丈も株全体のサイズも大きくなるのが特徴です。

葉は長さ15センチほどになり、卵形から三角形まで、形にはかなりの幅があります。葉の緑色の濃淡にも個体差があり、茎は緑色が基本ですが、紫色を帯びるものも見られます。

花は淡い青色で、比較的大きく咲きます。

さやは品種によって表面が滑らかなものとざらついたものがあり、長さはおよそ15〜22センチほどです。さやの断面がひだのついた四角形なのでこの名前があります。また、さやの四方に翼状のひだが付いているので、英名はウイングドビーンと呼ばれています。

若いさやは表皮に光沢があり、中の果肉はやや透き通って見えます。色はクリーム色、緑、ピンク、紫など多様です。完熟すると灰褐色に変わり、さやが割れて中の豆がこぼれ出ます。

豆の形は丸いものが多いですが、楕円形や四角形のものもあります。色は白、クリーム色、濃いベージュ、茶色など、栽培環境や保存状態によって変化します。

シカクマメの食べ方・料理

シカクマメは、植物のさまざまな部分を食べることができます。

さや

最も広く食べられているのが若いさやです。

炒め物、天ぷら、おひたし、和え物、サラダなど、さまざまな料理に利用できます。

若いさやは生食することもできます。

特に、さやの独特な形をそのまま楽しめる天ぷらは、シカクマメの代表的な食べ方の一つです。

若い葉は、ほうれん草のような葉野菜として利用できます。

炒め物やおひたし、汁物などに使うことができます。

花も食用になります。

また、米や菓子を着色するためにも利用されます。

塊根

地中にできる塊根も食用になります。

でんぷんを多く含み、加熱するとホクホクとした食感を楽しめます。

種子

種子は乾燥させたり、炒ったりして食べられます。

また、乾燥させて粉にすると小麦粉のように利用でき、コーヒーに似た飲み物を作ることもできます。

豆を水と乳化剤と一緒に混ぜることで、シカクマメミルクを作ることもできます。シカクマメミルクは豆乳に似ていますが、豆特有の風味は少ないとされています。

東南アジアや南アジアの国内市場では、燻製にした莢、乾燥させた種子、塊根、葉なども販売されています。

インドのナガランド州では、さやを生のままサラダとして食べる習慣もあります。

シカクマメの味

シカクマメは、部位によって味や食感が異なります。

最も一般的に食べられている若いさやは、シャキシャキとした食感が特徴です。

また、味はアスパラガスやインゲンに似ているとされています。

塊根はナッツのような風味があり、加熱するとホクホクとした食感になります。

このように、同じシカクマメでも、食べる部位によって味や食感を楽しめるのが特徴です。

シカクマメの栄養

シカクマメは、さまざまな栄養素を含む野菜です。

葉、花、さや、種子など、それぞれの部位にビタミンA、ビタミンC、カルシウム、鉄など、さまざまな栄養素が含まれています。

特に注目されているのが、種子の高いたんぱく質含有量です。

種子は約35%がたんぱく質、18%が脂質とされ、たんぱく質は「畑の肉」と呼ばれる大豆に匹敵する数値です。

また、栄養豊富な塊根(いも)には約20%のたんぱく質が含まれるとされ、葉と花にも約10~15%のたんぱく質が含まれています。

一方で、体に良い成分ばかりではなく、消化を妨げたり栄養の吸収を邪魔したりする成分も含まれています。

具体的には、たんぱく質の消化を妨げる酵素阻害物質(トリプシンインヒビター、キモトリプシンインヒビター)、ミネラルの吸収を妨げるフィチン酸、渋み成分のタンニン、シュウ酸塩、そしてお腹にガスがたまりやすくなる原因となる糖類などです。

ただし、こうした成分は、水に浸す、加熱調理する、発芽させる、発酵させる、焙煎するといった下処理によって減らすことができるとされています。

シカクマメはどこで買える?購入方法

シカクマメは、沖縄県内では夏場、直売所やスーパーで日常的に見かける野菜です。

一方、全国では流通量自体が少なく、一般的なスーパーの店頭に並ぶことはあまりありません。

そのため確実に入手したい場合は、産直通販サイトを利用するのが現実的な方法です。

通販以外では、道の駅や農産物直売所、大型スーパーの沖縄フェアや産直コーナー、沖縄アンテナショップなどでも見つかる可能性があります。

シカクマメの旬・収穫時期

四角豆は本来多年草ですが、日本では気温が低いため一年草として扱われます。

露地栽培では夏に大きく成長して花をつけ、早いものは7月中旬頃から出始め、9月から10月にかけてが収穫の最盛期、11月頃まで収穫が続くとされています。

沖縄県内では6月から11月頃まで収穫が可能で、夏野菜が少なくなる時期に出回る貴重な野菜として定着しています。

シカクマメの栽培方法

また、シカクマメは種や苗を購入して、自分で栽培することもできます。ネットでは楽天市場やAmazonで比較的容易に見つけることができる園芸作物となっています。

種まき

シカクマメは高温性の作物で霜に弱いため、地温が十分に上がってから種まきを行います。

発芽適温は25〜30℃と高温を必要とするため、露地への直まきの場合は5月中旬頃が適期とされています。

一般には保温しながら育苗する方法もあります。

20℃以上の温度を確保し、9cmのポリ鉢に3〜4粒ずつ種をまきます。

種をまいてから発芽するまでは土を乾かさないようにし、発芽後は本葉2〜3枚の頃に生育の良い芽を1本だけ残します。

硬い種皮を持つため、発芽が揃うまでに日数がかかることもあります。

本葉が3〜4枚になったら、うね間100cm、株間50cmを目安に畑やプランターへ植え付けます。

肥料・土づくり

栽培する場所は、日当たりと風通しの良い環境を選びます。

マメ科の植物は連作障害を起こしやすいため、前年にマメ科の作物を植えた土は避ける必要があります。

畑には、あらかじめ1平方メートルあたり堆肥3kg、苦土石灰150g、化成肥料30g程度を施し、よく耕しておきます。

一般的なマメ科植物は肥料が多いと「つるボケ」を起こして実つきが悪くなりますが、シカクマメは他のマメ科植物よりもやや多めの肥料を好む性質があります。

植え付けから6〜7週間後を目安に、粒状肥料を1平方メートルあたり30g、2週間に1回のペースで追肥しながら土寄せを行います。

水やり・支柱

シカクマメは水切れに弱いため、敷きワラなどで土の表面を覆い、乾燥を防ぐとよいとされています。

植え付けと同時に、つるを這わせるための支柱などもセットしておく必要があります。

その後の管理としては、土の表面が乾き始めたタイミングでたっぷりと水を与え、成長が早いため、こまめにつるの整理をすることが推奨されています。

放っておくとわき芽のつるがどんどん絡み合って茂り、強風の際には支柱ごと倒れてしまうこともあるため注意が必要です。

つるは草丈2〜4mほどに伸びるつる性植物で、暑さに強く旺盛に育つため、グリーンカーテンの素材としても利用されています。

プランター栽培の場合は、横長で深さ65cm程度の家庭菜園向けプランターに、2株程度を目安に植えるとよいとされています。

このように、シカクマメは栽培にいくつかのコツが必要な野菜ですが、ポイントを押さえれば家庭菜園でも十分育てることができます。

夏から秋にかけて、独特の形をした若いさやの収穫を楽しめる野菜です。


参考:シカクマメ(マメ科シカクマメ属) | 野菜もの知り百科 | JAあつぎ

シカクマメの種取り – すどう農園

シカクマメの育て方・栽培方法・栽培 | LOVEGREEN(ラブグリーン)

沖縄県産 やさい 島野菜 うりずん豆

Psophocarpus Tetragonolobus | Encyclopedia MDPI

シカクマメ種「ウリズン」 | 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS

Winged bean: An underutilized tropical legume on the path of improvement, to help mitigate food and nutrition security – ScienceDirect

Biochemical composition, bioactivity, processing, and food applications of winged bean (Psophocarpus tetragonolobus): A review – Bepary – 2023 – Legume Science – Wiley Online Library

Transcriptome sequencing and marker development in winged bean (Psophocarpus tetragonolobus; Leguminosae) | Scientific Reports

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