フィリピンのスイーツなどに使われる、鮮やかな紫色の食材「ウベ(ube)」。
海外ではアイスクリームやケーキ、ドリンクなどに使われ、近年注目を集めています。鮮やかな紫色は見た目のインパクトも強く、日本でもこれから人気が広がるかもしれません。
今回は、そんなウベを使ったフィリピンのスイーツ「ウベハラヤ」を実際に購入しました。パンに塗ったり、アイスクリームにトッピングしたりしながら、味や食感、おすすめの食べ方をレビューします。
ウベとはどんな食材なのか、紫芋や紅芋との違い、どんな味がするのかも紹介します。
ウベとは

ウベは、フィリピンで「ダイジョ」(ヤムイモの一種)の紫色の品種を指す呼び名です。日本では紫ヤムとも呼ばれます。皮は灰色がかった茶色で、中は鮮やかな紫色。加熱するとジャガイモのようにほくほくとして、ほんのり甘く、ナッツのような風味があります。
ウベ・紫芋・紅芋は何が違う?
見た目も名前も似ていますが、植物としてはまったくの別物です。
ウベはヤマノイモ科で、日本の山芋・長芋・自然薯の親戚です。一方、紫芋・紅芋はヒルガオ科で、サツマイモの仲間です。つまり、ウベは「紫色の山芋の仲間」、紫芋・紅芋は「紫色のサツマイモ」ということになります。
| ウベ(紫ヤム) | 紫芋・紅芋 | |
|---|---|---|
| 仲間 | ヤマノイモ科(山芋・長芋の仲間) | ヒルガオ科(サツマイモの仲間) |
| 中身の色 | 鮮やかな紫色 | 紫色 |
| 特徴 | 水分が多く、ぬめりがある | サツマイモの仲間 |
| 食べ方 | 加熱して食べるのが基本 | 日本で広く食べられている |
| 主な産地 | フィリピンなど東南アジア | 日本(沖縄、九州など) |
産地
ウベは東南アジア、とくにフィリピンが原産とされ、小さな畑で多く育てられています。需要が高く、現在フィリピンで最も高価で重要な根菜のひとつです。
ウベの食べ方

ウベは用途の広い芋です。ゆでる、つぶす、揚げる、焼くなど、さまざまな調理法で食べられていて、ほかのでんぷん質の野菜の代わりに、いろいろな料理に使われることもあります。
粉末に加工して、キャンディーやケーキ、アイスクリームなど、鮮やかな紫色を生かした食品に使われることも多いです。
そうしたウベの食べ方のひとつが、フィリピンで親しまれているお菓子ウベハラヤです。
ウベハラヤとは

ウベハラヤは、ウベをココナッツミルク、練乳、バターまたはマーガリンなどと一緒に煮て作る、ウベのジャムです。
フィリピンでは人気のお菓子として親しまれていて、使い道は広いです。
- アイスクリームやケーキなどの菓子の風味づけ
- フィリピンの人気デザート「ハロハロ」のトッピング(ハロハロは、かき氷にエバミルクや甘く煮た豆、ゼリーなど、さまざまな甘い具材を合わせたデザートです)
家庭ごとに作り方は違いますが、今は瓶詰めの商品も売られていて、日本でも通販で買えます。
今回は、その瓶詰めのウベハラヤを実際に買って、食べてみました。
Ube Halaya Purple Yam Jam 340g(フローレンス製)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | FLORENCE(フローレンス) |
| 内容量 | 340g(瓶詰) |
| 原産国 | フィリピン |
| 原材料 | ウベ、糖蜜/保存料(亜硫酸塩) |
| 価格 | ¥1,300 / 個 |
| 買える場所 | Amazon、楽天市場など |
食べてみた

そのまま食べてみた

まず、スプーンですくって、そのまま食べてみました。
口に入れると、まず感じるのはしっかりとした甘さ。風味はサツマイモに近く、どこか馴染みのある味わいです。
食感はなめらかなペースト状ですが、よく味わうと少しざらざらした舌触りもあります。
ただ、甘すぎるというほどではありませんでした。そのままスプーンですくって食べてもおいしく、ウベならではの風味もしっかり楽しめます。
オートミール+フルーツ+ミルクに混ぜる

使ったもの
- オートミール:大さじ6杯
- ウベハラヤ:スプーン3杯
- ミルク:コップ1杯
- バナナ、ブドウ、カキ、イチジク、プルーン:適量
オートミールとミルクを混ぜ、フルーツを加えたあと、ウベハラヤを混ぜて食べてみます。
フルーツと一緒に食べても、ウベの風味がしっかりと感じられます。ミルクともよく合い、混ぜることで味がなじんで、こちらもおいしいです。
バナナやブドウなど、いろいろなフルーツとの相性もよく、ウベハラヤはパンやアイスクリームだけでなく、オートミールに加えても楽しめることがわかりました。
なぜ今、ウベが人気なのか

ウベは近年アメリカで人気が高まり、食品市場でも見かける機会が増えています。その理由は味や健康面もありますが、何よりもあの鮮やかな紫色です。SNSでも目を引く色合いがインフルエンサーの目に留まり、人気を後押ししました。
人気の広がり
- 2017年ごろ:タピオカミルクティー専門店や一部のレストランのメニューに登場
- 2022年春:アメリカのバスキン・ロビンスが「ウベ・ココナッツ・スワール」のアイスを発売し、本格的にブレイク
- 2024年:ダンキンがハロウィーンに「ポーション・マキアート」を発売。長谷川香料は「フレーバー・オブ・ザ・イヤー」にウベを選出
- 欧州:一般のカフェにも広がり、業界関係者の中には「The matcha of the Philippines(フィリピンの抹茶)」と呼ぶ人も
韓国にも波及
韓国でも、紫色がBTSを象徴する色であることから、ファンの間で紫色のものが注目され、ウベのお菓子やドリンクを楽しむ動きにもつながりました。
そして、この流れは日本にも届きつつあります。 ウベを扱うカフェも少しずつ登場しており、海外のトレンドに敏感な人たちの間で関心が高まり始めています。
数字で見る需要
- アメリカのレストランのウベ商品は、過去4年で230%増。現在95のチェーンで提供
- 調査会社Datassentialは、今後4年でさらに74%増と予測
- フィリピンのウベ輸出量は、2025年に170万kg(前年比20.4%増)。約半分がアメリカへ
人気が高まる一方、生のウベは輸出停止に

需要が急に伸びる一方で、産地のフィリピンでは生産体制の整備が課題になっていました。
- 収穫できる時期が限られていて、時期によって生産量が足りない
- 質のよい苗や種イモが十分に確保できない
- 組織培養で育てた苗の管理に関する知識が、農家に十分行き渡っていない
政府や大学による支援が進められてきましたが、需要の拡大に生産が追いつかない状況が続いています。
そこで2026年8月、フィリピン農務省は生のウベの輸出を無期限で停止しました。食用だけでなく、栽培用・研究用も含めた未加工のウベが対象です。
これはウベを売らないための政策ではありません。国内の生産基盤を整え、将来的にさらに大きな輸出産業へ育てるための措置です。業界団体の設立や、2027年に3億ペソの予算を組む計画など、生産体制の強化も進められています。
日本でウベを楽しむなら、加工品から

生のウベは輸出停止の影響もあり、海外から入手するハードルが高くなっています。一方、輸出停止の対象は生のウベであり、ウベハラヤやウベパウダーなどの加工品は対象外です。こうした商品は、現在も楽天市場やAmazonなどで購入できます。
アメリカや韓国で広がっているウベの人気は、日本ではまだ始まったばかり。鮮やかな紫色を生かしたスイーツやドリンクが、これからどのように広がっていくのか注目です。
今回紹介するウベハラヤも、そんなウベを手軽に試せる加工品のひとつです。パンに塗ったり、アイスクリームに添えたりするだけで、いつものスイーツとは違った見た目や風味を楽しめます。
海外で話題になっているウベがどんな味なのか、まずは実際に食べて確かめてみるのも面白いと思います。カフェや飲食店で新しいメニューを考えている人にとっても、ウベの味や色、使い方を知るきっかけになりそうです。
関連動画:人気急上昇のフィリピン産ウベが禁止されている理由【解説動画】
参考:https://www.vancouverpcg.org/vpcg-resources/yamang-pinoy/ube/
https://i.fnri.dost.gov.ph/fct/library/report/3187
https://www.convenience.org/stay-current/news/2026/april/10/4-when-did-ube-get-so-hot_fs
https://www.koreajoongangdaily.com/business/how-btsfueled-ube-craze-in-korea-tests-philippine-supply-limits/12745162
https://macaro-ni.jp/176481
https://www.da.gov.ph/da-indefinitely-suspends-raw-ube-exports-to-secure-planting-materials/


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