大人向け!魚の世界を深く知るおすすめ図鑑10選

おすすめ書籍・図鑑レビュー

最近、魚の図鑑がすごく面白くなっています。

昔の図鑑といえば、魚の写真と名前、簡単な説明くらいでしたが、今の図鑑は全然違います。エックス線CTで深海魚の骨格を撮影して進化の秘密を探ったり、江戸時代の博物画から魚の和名の由来を調べたり、絶滅危惧種になったウナギの保全問題を科学的データで解説したり。

釣り人が自分で釣った魚をスタジオ撮影した「鮮度抜群」の写真が載った図鑑もあれば、サメ愛好家が全力で描いたイラスト図鑑まで。どれも専門的な内容なのに、読み物として普通に面白いんです。

ここでは、そんな「読んで楽しい魚の本」をまとめました。どれも大人が読んで満足できる内容で、魚好きなら間違いなく楽しめると思います。気になったものがあれば、ぜひ手に取ってみてください。

OCEAN LIFE 図鑑海の生物

著者: スミソニアン協会/ロンドン自然史博物館【監修】 遠藤 秀紀/長谷川 和範【日本語版監修】
出版社:東京書籍

この図鑑は、広くて深い海の世界に生息する多種多様な生物を、圧倒的なビジュアルで紹介する、新しいタイプの海洋生物図鑑です。

世界最大の博物館群であるスミソニアン協会と、自然史研究をリードするロンドン自然史博物館のダブル監修のもと、魚類にとどまらず、哺乳類、鳥類、甲殻類、軟体動物、さらには藻類やバクテリアに至るまで、幅広い海の生物を斬新な視点で網羅しています。

本書は、生物を「海の世界」「岩石海岸」「サンゴ礁」「外洋」「極域海洋」といった地域別に解説しているのが特徴です。これにより、単に生物種を知るだけでなく、それぞれの生息環境や生態系の中での関わり合いを深く理解することができます。

また、精緻な写真や図解だけでなく、古今東西の美麗な博物画や絵画作品も多数収録されており、海の芸術的な価値にも触れられます。海の生き物の美しさを楽しみながら、その生態や進化の謎に迫ることができる、大人向けの本格的な一冊です。

日本魚類館 ~精緻な写真と詳しい解説~

著者:中坊 徹次、松沢 陽士
出版社:小学館

本書は、日本国内に生息する約1,400種もの魚を網羅した、国内最大級の魚類図鑑です。子どもの学習図鑑のイメージが強い「小学館の図鑑Z」シリーズですが、本書は専門的な内容が特徴で、大人が読んでも十分に読み応えがあります。最新の研究に基づいた詳しい解説と、精緻で美しい写真が最大の魅力です。魚の種類を見分けるための重要なポイントが分かりやすく示されており、専門家からも高い評価を受けています。魚の分類や形態、生態について深く知りたい方には、まさに「決定版」といえる一冊でしょう。

特に、それぞれの魚が持つ独特な特徴や、近縁種との見分け方が詳細に解説されているため、図鑑としての実用性が非常に高いです。さらに、掲載されている写真の多くは、水中での生態を捉えた貴重なものであり、魚が実際にどのような環境で、どのように生きているのかをリアルに感じることができます。魚をより深く知りたいと考える方にとって、この一冊は単なる知識の羅列ではなく、魚の世界の奥深さや美しさを再発見するきっかけを与えてくれます。この図鑑があれば、魚への見方がきっと変わるはずです。

深海魚コレクション エックス線CTで探る不思議な姿

著者:篠原 現人
出版社: オーム社

『深海魚コレクション エックス線CTで探る不思議な姿』は、深海魚の骨格や体の構造をエックス線CTで撮影し、その進化や適応の傾向を分かりやすく解説したユニークな図鑑です。深海魚というと奇妙な形や色の印象が強いですが、本書ではそれらの外見だけでなく、骨格レベルで「なぜそうなったのか」に迫る内容になっています。

特徴ごとに分類されており、「顎が大きくなる」「眼が大きくなる」「骨や鱗が発達しない」など、深海環境に適応した進化のパターンが一目で理解できます。写真は標本の外観とCT画像の両方が掲載されており、見比べながら読み進めることで、構造と機能の関係が直感的に分かるのが魅力です。

A4サイズで見やすく、図鑑としての満足度も高いです。深海魚マニアはもちろん、海の生物や進化に興味がある方、生物学の資料を探している方にもおすすめの一冊です。読み進めるうちに、深海魚が単なる奇抜な生き物ではなく、環境への驚くべき適応者であることが実感できるでしょう。

日本のウナギ 生態・文化・保全と図鑑 レビュー

著者:海部 健三、脇谷 量子郎(写真:内山 りゅう)
出版社:山と溪谷社

近年、ニホンウナギは国際的に「絶滅危惧」と評価され、その資源量の減少が深刻な課題となっています。ヨーロッパでは欧州ウナギの漁獲や取引を厳しく規制し、一部では禁漁措置がとられています。それにもかかわらず、日本では依然として漁獲・消費が続いており、しかも完全養殖はまだ研究段階。商業的な量産には至っておらず、シラスウナギ(天然稚魚)への依存が続いています。

こうした現状を前にして、私たちは「このままウナギを食べ続けてよいのか? ウナギはこのまま姿を消してしまうのではないか?」という問いに向き合わざるを得ません。結論を急ぐのではなく、科学的知見・歴史・文化・保全の全体像を踏まえ、自分なりの答えを考えるための材料が必要です。

そんなとき手に取りたいのが、『日本のウナギ 生態・文化・保全と図鑑』(海部 健三・脇谷 量子郎/写真:内山りゅう)です。本書は、生態・回遊・生活史の最新知見、日本に生息する4種のウナギの詳細な図鑑、縄文から現代までの食文化や信仰、漁法の歴史、そして保全と将来の選択肢までを網羅。まさにウナギに関する総合的な資料集と言えます。

完全養殖の現状や河川環境の悪化、過剰消費の問題などを、感情的な訴えではなくデータと事例でわかりやすく解説。内山りゅう氏による迫力ある水中写真は、生態の理解と読書体験の双方に深みを与えます。

ウナギが好きな人も、その未来を心配している人も、この一冊を通じて「自分はどうすべきか」という答えを言葉にできるはずです。

日本のタナゴ 生態・保全・文化と図鑑

著者:北村 淳一 写真:内山 りゅう
出版社:山と溪谷社

皆さんは、こんなにも美しい魚が日本の川やため池に生息していることに驚くでしょう。本書『日本のタナゴ 生態・保全・文化と図鑑』は、日本に生息する 全18種のタナゴ を網羅した決定版図鑑です。

詳しい分布情報や産地、個体ごとの特徴を豊富な写真とともに紹介しており、観察や研究の際に非常に参考になります。さらに、タナゴが産卵に利用する淡水貝の種類や生態も詳細に解説されているため、彼らの生活史や環境との関わりを深く理解できます。

現在、多くのタナゴは絶滅危惧種に指定されており、その生息環境や保全の重要性についても学べます。タナゴの魅力を知り、川やため池の生物多様性を考えるきっかけになる一冊必携の図鑑です。

『鱗の博物誌』

著者: 田畑 純、遠藤雅人、塩栗大輔、安川雄一郎、栗山武夫、森本 元 ほか
出版社: グラフィック社

この図鑑は、魚の鱗がどのように進化してきたかを深く知りたい方におすすめの一冊です。単に魚の鱗を解説するだけでなく、生物を護る「衣服」としての鱗に焦点を当て、その進化、機能、構造を多角的に紐解きます。本書は、魚類だけでなく、爬虫類、鳥類、さらにはセンザンコウやアルマジロといった珍しい哺乳類まで、幅広い動物の鱗を網羅しているのが大きな特徴です。

総点数500点にも上る迫力ある写真の半数以上が撮り下ろしで、普段目にすることのない鱗の精巧な美しさを堪能できます。魚の鱗が持つ多様な役割(優れた鎧としての防御機能、妖しい目眩しとしての擬態機能など)が、豊富な写真と専門的な解説によって解き明かされます。また、鱗が織りなす文様や、空に現れる「うろこ雲」といった、文化的・自然現象的な側面にも触れる特集ページも収められており、鱗というテーマを多角的に楽しむことができます。魚の鱗の奥深い世界を、専門的かつ美しいビジュアルで学びたい大人に最適な図鑑です。

美し、をかし、和名由来の江戸魚図鑑

著者: 田島一彦
監修: 中江雅典
出版社: PIE International

この図鑑は、江戸時代の代表的な博物画家・毛利梅園の優れた魚の写生図譜を通じて、日本人と魚の奥深い関係を読み解く一冊です。

寿司に欠かせないマグロが縄文・弥生時代から漁獲されていたり、紫式部や和泉式部が人目を忍んでイワシを食べていたりと、古くから日本人は魚に親しみ、その歴史を築いてきました。本書では、毛利梅園が描いた『梅園魚譜』と『梅園魚品図正』から厳選された94種の美しい図譜が掲載されています。

最大の魅力は、和名の由来を詳しく解説している点です。たとえば、「ニシン」という和名には、「両親の長寿を祈る魚」や「二身(身を二つに割いて干す)」といった複数の説があるなど、日本人が魚に込めた物語を知ることができます。単なる魚の図鑑にとどまらず、江戸時代の人々の魚に対するまなざしや文化的な側面にも触れることができるのが特徴です。

世界のサメ大全―サメ愛好家が全身全霊をささげて描いたサメ図鑑

著者・イラスト: めかぶ
監修: 田中 彰
出版社: 大泉書店

この図鑑は、サメ愛好家であるイラストレーター・めかぶ氏が、全身全霊を捧げて描いたサメのイラスト図鑑です。サメマニアならではの視点で、全125種のサメをユニークで愛らしいイラストと共に紹介しています。専門家である東海大学客員教授の田中彰氏が監修しており、その情報の信頼性も確保されています。

本書は、サメの体の構造や仕組み、繁殖、古代のサメ、人との関係など、サメに関する幅広い知識を網羅的に解説しています。特に、「サメのウロコは歯と同じ」「子宮の中で胎仔が共食いするサメがいる」「陸でも10時間以上生きられるサメがいる」といった、驚きの雑学が満載です。これらの興味深いトピックは、サメに関する新しい発見をもたらしてくれるでしょう。

イラストはとても簡潔で分かりやすく、サメの特徴が一目で理解できるようになっています。専門的な知識がなくても、楽しく読み進めることができるので、サメ初心者からマニアまで幅広い層におすすめです。

著者の「少しでも多くの人にサメの魅力を知ってほしい」という情熱が込められた一冊であり、サメへの愛が感じられる温かい語り口も魅力です。簡潔な解説と愛らしいイラストが、サメの奥深い世界へとあなたを誘います。

海の魚 大図鑑

著者: 石川 皓章
監修: 瀬能 宏
出版社:日東書院本社

本書は、著者である石川皓章氏が実際に釣り上げた魚を中心に、600種類以上を収録した大図鑑です。釣り人が自ら釣り上げた魚をスタジオで撮影しているため、その写真は「鮮度抜群」で、魚たちの生き生きとした姿を詳細に観察することができます。

分類表記は2010年のデータに基づいた最新版で構成されており、専門家である瀬能宏氏の監修のもと、その情報の信頼性も折り紙つきです。和名だけでなく学名も記載されているため、学術的な情報源としても活用できます。

さらに、本書の魅力は、魚の学術的な情報だけでなく、食文化の楽しみもプラスされている点です。主要な魚種の郷土料理が盛り込まれており、魚を「食べる」という側面からも深く知ることができます。釣り人にとっては、釣った魚を美味しくいただくためのヒントが得られるでしょう。

釣り人はもちろん、魚類研究者や水産漁業関係者、そして魚の食文化に興味があるすべての人にとって、役立つ情報が満載の一冊です。魚の知識を深めるだけでなく、釣りや食の楽しみも広げてくれる、まさに「大図鑑」の名にふさわしい内容です。

フィールドガイド日本の淡水魚図鑑

著者:田口 哲、井田 齊
出版社:山と溪谷社

日本の川や湖に生息する淡水魚に特化した図鑑です。全約300種が掲載されており、特に川やため池で生物観察をする方には最適な一冊です。タナゴやコイ、フナといった身近な魚から、地域限定の希少な魚まで、生態や見分け方のポイントが詳しく解説されています。

本書の魅力は、美しい写真と共に、淡水魚の多様な生態を学べる点にあります。例えば、タナゴが産卵に利用する淡水貝の種類や、その特殊な生態が紹介されているため、魚とその生息環境との繋がりを深く理解することができます。また、日本の淡水魚の多くが絶滅の危機に瀕している現状を踏まえ、環境の変化による影響や保全の重要性についても触れています。単なる図鑑を超えて、私たちが淡水魚とどう関わっていくべきか、という大切な問いを投げかけてくれる内容です。

コンパクトなサイズで持ち運びやすく、フィールドワークのお供にもぴったりです。この図鑑を手に、身近な水辺を散策すれば、これまで見過ごしていた淡水魚たちの奥深い世界を発見できるでしょう。川や湖の生物多様性に関心がある方や、生物学の資料を探している方にもおすすめです。

まとめ

どの本も、ただ魚を紹介するだけじゃなくて、それぞれ違った角度から魚の面白さを教えてくれます。気になったものから読んでみてください。

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