人間が襲われた時の致死率が高い大型肉食動物トップ10

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大型捕食動物による人間への攻撃はまれですが、非常に危険です。しかし、すべての捕食動物が同じ理由で人間を攻撃するわけではありません。一部の捕食動物は、人間を脅威とみなしたり、追い詰められたと感じたりしたときに攻撃します。また、ただ単に好奇心から攻撃することもあります。そして、非常にまれなケースでは、人間を獲物とみなして攻撃することもあります。。そのため、攻撃の理由によって、どれくらい致命的な結果になるかどうかが左右されます。

この記事では大型捕食動物が人間を攻撃した際の死亡率をランク付けし、紹介しています。

10位 ホホジロザメ

致死率:約17%

世界中で最も悪名高いこのサメが、以外にも10位だと聞いて驚く人も多くいるでしょう。しかし、これは主にメディアでのイメージによるものです。ジョーズなどの映画の影響で、人々はこの巨大魚を恐れるようになりましたが、映画のインスピレーションとなった実際に起きたサメの襲撃にホホジロザメは関わっていなかった可能性があります。

1916年のニュージャージーサメ襲撃事件のうちひとつは、海でなく淡水の川にサメが現れて人を襲っています。ただ、ホホジロザメに川をさかのぼる習性はありません。このため、多くの専門家がこの事件はオオメジロザメが原因である可能性が高いと考えていますが、この捕食者については動画の後半で説明します。

ホホジロザメは、人間への攻撃が最も多い3種のサメのうちのひとつですが、驚くべきことに、このサメによる攻撃の生存者は、死亡者よりもはるかに多いのです。

これにはいくつかの理由があります。

まず、ホホジロザメは海中の視界が悪い場合、間違って人間を襲うことがあります。また、好奇心からも人を噛みます。これは、ホホジロザメには手足がないため、噛むことで物事について学習しているためです。しかし、人間はホホジロザメにとって好ましい獲物ではないので、一度噛んだ後に、もう一度噛もうとすることはあまりありません。また、噛み切った体の一部も食べずに拒絶することがあります。

人間がホホジロザメに気づかないまま数メートル以内を泳ぐことがありますが、ほとんどのホホジロザメは人間を無視して、より一般的な獲物を狙います、もちろん、捕食目的の攻撃も一部ありますが、これは経験不足の若いサメによるものが多いのです。

これらがホホジロザメによるほとんどの攻撃が致命的ではない理由です。

ホホジロザメの体は非常に大きく、その気になれば人間を簡単に殺すこともできますが、幸いなことに、人間を攻撃した場合の致死率は約17%にすぎません。そのため、ホホジロザメは第10位のランクインにとどまっています。

9位 コモドオオトカゲ

致死率:約20%

コモドオオトカゲは現生のトカゲとしては世界最大級であり、生態系の頂点捕食者です。ただし、この巨大なトカゲは現在ではインドネシアのいくつかの島でしか見られず、絶滅危惧種に指定されています。彼らの主な脅威は生息地の喪失や密猟によるものです。

コモドオオトカゲには、このランキングの他の捕食動物にはない毒性という利点があります。長年、コモドオオトカゲの口の中には、食べ残しを栄養とする7種類以上の腐敗菌が増殖しており、噛み付かれた獲物は敗血症を発症して死亡すると考えられてきました。

しかし、この説は誤りで、コモドオオトカゲはヘモトキシンという毒を持っていることがわかりました。この毒はノコギリ状の歯で噛み付いて引っ張るような動作により、歯の間にある複数の毒管から流し込まれます。これはひと噛みだけで獲物を殺すわけではなく、その代わりに、獲物の血液の凝固を阻害し、失血によるショック状態を引き起こすのに役立ちます。

コモドオオトカゲによる人間への攻撃はすべてが捕食目的というわけではなく、脅威や、自分の領域が侵害されていると感じたりしたときに起こります。コモドドラゴンが人間を襲うことは非常にまれであり、ほとんどのツアーガイドと地元の人々は長い棒で彼らを遠ざけることができます。

ただし、コモドオオトカゲには人間の命を奪うだけの十分な能力があります。人間が襲われるケースは彼らの予測不可能な行動によるものが多く、この場合、致死率は約20%です。

8位 オオメジロザメ

PterantulaCC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

致死率:約22%

オオメジロザメは世界で最も興味をそそられるサメのひとつですが、これは主にその奇妙な行動と習性のためです。ほかのほとんどのサメとは異なり、このサメは川を数百kmも上流に遡ることが知られています。1000km以上上流まで遡ったことも記録されており、1995年には内陸のイリノイ州でも捕獲されています。この行動は長年にわたり、多くの人を驚かせてきたに違いありません。

オオメジロザメは沿岸の暖かい海域で最もよく見られ、これがサメによる襲撃の大半に彼らが関与している理由のひとつです。さらに、このサメはさまざまな生物をターゲットにする日和見的な捕食者です。このような予測不可能な行動と浅瀬への愛着は、人間と接触する機会を増やし、襲撃の可能性をほかのサメよりも高くしています。

そして、オオメジロザメは他の2種類の最も危険なサメよりも小さいにもかかわらず、非常に筋肉質で力強い体格と噛む力でこれを補っており、致死率は約22%となっています。

7位 ホッキョクグマ

ホッキョクグマは世界最大のクマで、記録されている最も重い個体は1000kgを超えています。

このクマは人間を直接食料と見なす、数少ない捕食者のひとつであり、したがって彼らによる人間への攻撃目的の多くは捕食のためです。特に、病気や飢えに苦しむオスは人間と接触すると攻撃する可能性が高くなります。

ホッキョクグマは動物食傾向が強く、シロイルカやセイウチなど、自分の何倍もの大きさの動物を捕食することがあります。そのため、無防備な人間は比較的簡単に食べられてしまいます。

ただ、幸いなことにホッキョクグマは北極圏の沿岸のみに生息することから、人間との接触はそれほど多くありません。そして、ホッキョクグマが歩き回る地域に住む人々は、このクマによる危険性をよく認識しており、身を守るために銃を持っています。また、人口密集地域からクマを遠ざける予防策がいくつかなされています。

そのため、ホッキョクグマによる死亡率はほとんどの人が考えるほど高くはありません。人間がホッキョクグマに襲われたときの致死率は約27%です。

ただ、近年、ホッキョクグマが食料を求めてさらに南に向かわざるを得なくなっているため、この確率は将来、増える可能性があります。

6位 イタチザメ

Albert kokCC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

致死率:約31%

イタチザメは世界中の熱帯および温帯の海域に生息するサメです。彼らは非常に好奇心が強く、出くわしたものはナンでも噛むことで知られています。イタチザメの胃袋からは多くの陸生動物が発見されており、さらに、ナンバープレート、釣り道具、タイヤ、プラスチックなども見つかっています。
そのため、英語では「海のゴミ箱(garbage can of the sea)」というニックネームが付けられています。こうした性質が、他のサメよりも人間を噛む可能性を高くしています。

イタチザメはシャチと人間を除けば、生態系の中で恐れるものはほとんどありません。彼らによる人間への攻撃の約31%が致命的であり、これはほかの危険な2種のサメよりもはるかに高い数値です。

ただ、その存在に気付いていれば、通常は比較的簡単に追い払うことができます。ダイバーがイタチザメを静かに押しのけ、穏やかに泳ぎ去っている姿がよく映像に残されています。

5位 ヒョウ

致死率:約33%

ヒョウは世界で最も成功を収めた大型ネコ科動物のひとつで、アフリカとアジアの広い地域で見られます。彼らは待ち伏せで狩りをするステルスの達人で、非常に捕えがたく、捕食者や獲物から常に身を隠したままでいることができます。

ヒョウは生息域全体でサイズや形が大きく異なり、場所によってはメラニズムの個体も見られます。彼らは生態系内のさまざまな生き物を餌としており、大型の有蹄類の成獣すら捕食することもあります。また、キリンやクロサイの幼獣を樹上まで運んだ例も知られています。

このように、彼らはその大きさの割に信じられないほど力強く、まれに人間を襲うこともあります。ヒョウによる人間への襲撃のほとんどはインドで発生しており、中でも女性や子供を襲う可能性の方がはるかに高くなります。ヒョウは非常に隠密性が高いため、発見することはほぼ不可能です。

襲われた場合の致死率は約33%ですが、開発などにより人間との衝突が増えているため、今後はこの確率が大幅に上昇するでしょう。

4位 イリエワニ

致死率:約50%

イリエワニは世界最大のワニで、東南アジアとオーストラリアの汽水域と沿岸水域によく見られます。このワニが人間を食料源と見なしていることは間違いないため、彼らが生息する水辺には絶対に近づいてはいけません。

イリエワニは水牛やオオメジロザメなど、人間よりもはるかに大きく危険な生き物を狩ります。彼らは頂点捕食者であり、水に入るものは何でも獲物と見なしてしまいます。

しかし奇妙なことに、イリエワニによるオーストラリアでの致命的な攻撃はまれです。毎年、世界中で約1000人がワニに殺されていますが、オーストラリアでのイリエワニによる犠牲者は毎年1人か2人だけとなっています。これは主に人間のワニに対する意識の高さと徹底した管理のためで、南アジアと東南アジアの方が攻撃の可能性がはるかに高くなっています。

ワニは待ち伏せ型の捕食者で、短時間なら猛スピードで移動することができ、泥水の中では見つけるのはほぼ不可能です。そのため、大雨の後に攻撃される可能性ははるかに高くなります。

イリエワニに襲われた場合、それはコインを投げるようなもので、致死率は約50%です。

3位 ライオン

致死率:約62%

ライオンは最もよく知られた頂点捕食者であり、アフリカとインドの一部に生息しています。この大型ネコ科動物は性的二型であることで知られており、オスはメスよりもはるかに大きく、厚いたてがみを持っています。

それにもかかわらず、アフリカライオンの狩りのほとんどはメスが行います。ライオンは大きな社会的なグループで生活する唯一のネコ科動物で、協力して非常に大型の獲物を仕留めることができ、ほかのほとんどの捕食動物から餌を奪う数と力を持っています。

ライオンが人間を襲うことは比較的まれですが、ほかのほとんどの大型陸上捕食動物よりも多くの攻撃を引き起こしており、毎年250人がライオンの犠牲になっていると推定されています。

また、これまでに数頭の人くいライオンが知られており、その中でも、ツァボの人喰いライオンは間違いなく最も有名な例のひとつです。これらのライオンには奇妙な特徴があり、ひどく損傷した歯のため
通常の獲物を狩る能力が損なわれていた可能性があります。

ライオンは非常に強力な動物であり、集団で行動するため、死亡率は非常に高く人間への攻撃の約62%が致命的となります。

2位 ナイルワニ

致死率:63%

ナイルワニは世界で2番目に大きいワニですが、最も多くの人間の死亡を引き起こしており、約200人が毎年この捕食者の犠牲になっていると推定されています。ほとんどの人は水辺近くで掃除、水汲み、または釣りをしているときに襲われます。

そして、イリエワニと同じように、濁った水の中でこのワニを見つけるのはほぼ不可能です。これまでに、有名な人食いワニが数匹知られており、彼らはほとんど神話的な地位を得ています。

ナイルワニは人間よりもはるかに大きく危険な動物を定期的に倒します。彼らはとりあえず噛んでから捕食できるかどうか考えるという精神性です。

ナイルワニに襲われたときの致死率は63%で、彼らの顎から逃れることができたら、幸運だと言えるでしょう。

しかし、このナイルワニよりもさらに致命的な捕食動物がいます。

1位 トラ

致死率:約65%

トラは世界最大の、そしておそらく世界で最も危険なネコ科動物であり、彼らはどの地域においてもいつも頂点捕食者です。トラの縞模様は周囲の環境に溶け込むのに役立ち、獲物に気付かれずに数メートル以内に近づくこともでき、ほとんどすべての動物をターゲットにします。

トラは人間を脅威と見なした場合、または子どもを守るために攻撃します。しかし、攻撃の大部分は捕食のためです。

最も有名なトラの襲撃多発地帯のひとつはスンダルバンスにあります。この地域は沼地が多く、マングローブ林が生い茂っており、トラは陸上でも水中でも攻撃を仕掛けることができます。

トラに襲われたときの致死率は約65%であるため、逃げられるチャンスはほとんどありません。つまり、トラは人間にとって最も危険な大型捕食動物で、トラのいる地域では油断しないことが不可欠です。

この記事はYouTubeの動画でも見ることができます。

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