――写真・研究・フィールドのすべてが詰まった「知の冒険」へ――
インターネットではすぐに情報が手に入る時代ですが、雑誌には「じっくりと世界を味わう時間」があります。
今回紹介するのは、写真の美しさ、取材の深さ、そして自然や生き物への情熱が感じられる、日本で読める生き物・自然系のおすすめ雑誌5選です。
自然の姿に感動したい人も、研究や観察を深めたい人も――きっと心を動かされる一冊に出会えるはずです。
さらに、定期購読を利用すれば、毎号お得に手に入り、最新号を買い逃す心配もありません。
自宅に届くたびに、新しい発見と感動があなたを待っています。
ナショナル ジオグラフィック日本版

ナショナル ジオグラフィック日本版は、テレビやネットでは触れられない「世界のリアル」を伝えてくれる貴重な雑誌です。
単なる写真雑誌でも、科学誌でもなく、「地球そのものを舞台にした人類の記録集」という言葉がぴったりです。
まず圧倒されるのは、写真のクオリティ。
大自然の一瞬や動物たちの生態、人々の表情までが驚くほど鮮明に切り取られていて、1ページ1ページがまるで映画のワンシーンのようです。
ただ美しいだけでなく、その背後にある環境問題・戦争・文化の変化など、「地球の現実」を真正面から見せてくれる点がこの雑誌の真価だと思います。
記事はすべて丁寧に取材され、専門的な内容を一般の読者にもわかりやすく伝える工夫がされています。
学術的でありながら、どこか文学的で、人間味のある語り口です。
特に科学や生物、文化、人類史に関心がある人にとっては、毎号が“知的な旅”のように感じられるでしょう。
他の科学誌よりも国際的で、世界を俯瞰する視点があるのも特徴です。
「環境破壊」「気候変動」「人類の未来」といったテーマを、圧倒的なビジュアルと信頼性の高いデータで伝えてくれます。
写真を眺めるだけでも楽しめますが、記事を読むとその写真の裏にある人間ドラマや科学的背景が見えてきて、さらに引き込まれます。
昆虫と自然

『昆虫と自然』は、日本の昆虫研究と愛好文化を支えてきた老舗の専門誌です。
1966年の創刊以来、研究者からアマチュアまで、多くの昆虫愛好家に読み継がれてきました。
他の科学誌ではなかなか扱われない、チョウ・ハチ・カブトムシ・カマキリなど、身近でいて奥深い昆虫たちの世界を、毎号さまざまな角度から掘り下げています。
生態・分類・行動・保全・飼育・採集など、テーマは幅広く、専門的な内容でありながらも現場のリアリティに富んでいます。
論文というよりも、研究者と愛好家の“交流の場”としての性格が強く、大学研究者による特集解説と、アマチュアによる観察・発見記事が並ぶ構成は他誌にはない魅力です。
一部の号では、珍しい昆虫の新発見やフィールド報告も掲載され、昆虫学の動向を身近に感じられます。
長い歴史の中で、日本の昆虫研究の発展を見守り続けてきた雑誌としての重みも感じます。
特に、最新の分類学的な情報や、地域ごとのフィールドレポートなどは、昆虫好きにはたまらない資料的価値があります。
月刊むし

月刊むしは、深く、正しく昆虫のことを知りたい人のための硬派な昆虫専門月刊誌です。
1971年3月から50年以上にわたって発行され続けており、クワガタムシやカブトムシはもちろん、カミキリムシ・タマムシ・オサムシなどの甲虫全般、チョウ・ガ・トンボ・バッタなど、世界の昆虫の最新情報が掲載されています。
図鑑のような解説記事のほか、新種の命名記載、分類・分布・生態などの新知見、国内外の採集紀行など、幅広く深く掘り下げた内容が特徴です。
年間12冊のうち数冊は「クワガタ特集」「カミキリ特集」「短報特集」「前年度の昆虫界をふりかえって」などの特集号として構成されています。
内容は専門的で、昆虫の初心者にはやや難しく感じるかもしれませんが、昆虫界の正確で最新の知識を得るためには欠かせない雑誌です。
日経サイエンス

日経サイエンスは、科学の「先端」と「発見の快感」を伝える一般向けの総合科学誌です。
1845年に創刊された長い歴史と伝統を持つ米国の科学雑誌『SCIENTIFIC AMERICAN』の日本版として、世界の最先端の科学技術動向を日本の読者に届けています。
生物を含む幅広い分野の専門家や一流のサイエンスライターが記事を執筆しており、ノーベル賞受賞者なども寄稿、その質の高さは多くの読者の支持を集めています。
美しい図版とわかりやすい文章が特徴で、必ずや科学を身近で楽しいものとし、読者に心地よい知的興奮を感じさせます。
『SCIENTIFIC AMERICAN』誌は、米世界14言語で翻訳され、950万人以上の人たちが日経サイエンスの読者と同じ“知識と感動”を共有する仲間になっています。
特集企画や翻訳記事のほか、日本の研究者が執筆・協力した日本版オリジナル記事、日本経済新聞やNatureと連携した国内外の最新科学ニュースも届けられています。
BIRDER(バーダー)

BIRDER(バーダー)は、文一総合出版が毎月16日に発行している、日本で唯一のバードウォッチングマガジンです。野鳥観察愛好家にとって必携の月刊誌として知られています。
この雑誌は、四季折々の野鳥グラビア、美しいイラスト、野鳥の生態や識別の仕方、さらには観察に必要なアイテム、鳥類生理学、バードカービングといった、バードウォッチングファンには欠かせない多岐にわたる専門情報で構成されています。
その質の高い内容は、写真の美しさや見ごたえ、バードウォッチングに役立つ実用的な情報が豊富に掲載されている点、そして鳥の愛らしさが存分に伝わり「見てるだけで癒される」点が素晴らしいと感じます。
初心者から熱心な愛好家まで、野鳥の世界を深く楽しむための「教科書」として愛読されています。
まとめ
ネットでは流れていく情報も、雑誌ではじっくりと「知る」「感じる」「考える」時間になります。
ナショジオで世界を旅し、『昆虫と自然』や『月刊むし』で足もとを見つめ、『日経サイエンス』で未来を想い、『BIRDER』で空を仰ぐ――。
どれもページをめくるたびに新しい発見がある、“知的な冒険のパスポート”のような雑誌たちです。
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